論文がCAISに採択

論文が論文誌 Complex & Intelligent Systems に採択されました

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Emulation-based adaptive differential evolution: fast and auto-tunable approach for moderately expensive optimization problems」というタイトルの,適応進化計算に関する論文が Complex & Intelligent Systems に採択されました.

本論文は,中程度に高コストな最適化問題に有効な手法として,差分進化(Differential Evolution: DE)のパラメータ設定を最適化中に自動調整する適応DEを提案しました.提案手法は,高コストな最適化問題の代表的手法であるサロゲート進化計算のような,サンプル効率の良い手法の模倣を,機械学習なしにパラメータ設定の適応で実現しました.具体的には,解集合を複数のサブ解集合に分割し,それぞれのサブ解集合に一つのパラメータ設定を付与します.これにより,一つのパラメータ設定はサブ解集合内の複数の解によって検証されます.また,既に発見した暫定最良解を模倣するようなパラメータ設定を,その使用に先立って選定する事前検証機構で,パラメータ設定の効率的な適応を実現しました.

実験では,これまで有効な手法がほとんど提案されてこなかった,中程度に高コストな最適化問題を想定したシナリオで,提案手法は既存の適応DEやサロゲート進化計算より高い性能を導出しました.また,提案手法はサロゲート進化計算よりも大幅に高速な最適化を可能にしました.そして,提案手法は,高コストな最適化問題での実現が困難であった,パラメータ設定の自動調整を可能にした,使い勝手の良い手法となりました.

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西原 慧
西原 慧
博士課程後期 2年

進化計算の研究に従事しています.

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