機械学習により解評価を代替するサロゲート進化計算(SAEA)では,最適化性能はサロゲートの性能に依存するため,これを適切に選択することが重要である.近年では,一回の最適化プロセス中にオンラインにモデル適応を行う適応SAEAが主流である.しかしながら,SAEAの探索効率を向上させるサロゲートの有効な性能指標は定まっておらず,目的関数値に対する推定誤差や順位相関などが使用されてきた.高々数百から数千程度の学習データの下では,これらの性能指標は信頼性に欠け,推定誤差が最小のサロゲートを用いてもSAEAの性能が改善しない場合がある.そこで本研究では,評価値の高い解を実際に発見できたか否か,つまり,解更新の成功実績をサロゲートの選定基準とする適応SAEAを提案する.実験では,CEC2013ベンチマークセットで提案手法が最先端のSAEAよりも優れた性能を導出することを示す.また考察では,解更新の成功実績を選定基準とする適応の妥当性を,解更新成功率などの観点から定量的に検証する.